インプラント2本でブリッジ治療とは?費用やメリット・デメリットを紹介
- 2025年10月22日
- 歯科
「インプラント2本でブリッジ治療とは?」
「インプラント2本を使ったブリッジ治療の具体的な費用を知りたい」
「インプラント2本でブリッジ治療をおこなうメリット・デメリットを理解したい」
上記の疑問をお持ちの方は、連続した3本の歯を失い、笑うと不自然に見えることがコンプレックスとなりお悩みなのではないでしょうか。
インプラント2本でのブリッジ治療は、連続した3本の歯を失った場合に、費用や身体的負担を抑えつつ、審美性と機能性を回復できる優れた治療法です。
本記事では、「インプラント2本でのブリッジ治療について、費用やメリット・デメリット」を紹介します。
インプラント2本でブリッジする場合の費用を抑える方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インプラント2本でブリッジ治療とは?
インプラント2本でブリッジ治療については、以下のとおりです。
- インプラント2本ブリッジの基本的な仕組み
- 通常のインプラント治療やブリッジ治療との違い
- インプラント2本でブリッジが適用されるケース
- インプラント1本と天然歯のブリッジが推奨されない理由
それぞれ解説します。
インプラント2本ブリッジの基本的な仕組み
インプラント2本ブリッジとは、歯を3〜4本失った場合に、その両端に2本のインプラント(人工歯根)を埋め込み、そのうえに3本一体型の人工歯を装着する治療法です。
真ん中の歯は「ダミー」となりますが、両側のインプラントがしっかりと支えるため、安定した噛み心地を得られます。
治療の流れとしては、まず顎の骨にインプラントを2本埋め込み、骨と結合するのを待ちます。
連結した人工歯を装着し、3本分の歯として機能させ、少ないインプラント本数で複数の歯を補える効率的で実用的な仕組みが特徴です。
通常のインプラント治療やブリッジ治療との違い
インプラント2本ブリッジは、従来のインプラント治療やブリッジ治療と大きく異なります。
最大の特徴は「必要なインプラントの本数を減らせる」ことです。
通常のインプラントは失った歯の本数分を埋め込む必要がありますが、2本ブリッジなら3本失った場合でも2本のインプラントで治療できます。
さらに、従来のブリッジでは健康な両隣の歯を削って土台にする必要がありましたが、この方法では健康な歯を傷つけずに済みます。
インプラント2本ブリッジは、少ない本数で効率的に治療でき、なおかつ天然の歯を守れるという点で、ほかの方法の欠点を補う治療法です。
インプラント2本でブリッジが適用されるケース
インプラント2本ブリッジは、主に「連続した3本の歯を失った場合」「歯がボロボロな場合」に適用されます。
ただし、顎の骨に十分な量と厚みがあることが前提条件です。
インプラントを安定して固定するには、骨の状態がしっかりしていることが欠かせないためです。
また、噛み合わせの力や骨格の特徴も考慮されます。
たとえば、奥歯の3本を失った場合でも、骨の状態が良ければ適用されるケースは少なくありません。
逆に、骨が不足している場合には、骨造成などの追加処置が必要になる場合もあります。
インプラント2本ブリッジが適しているかどうかは、精密検査をおこなったうえで歯科医師が判断することになります。
インプラント1本と天然歯のブリッジが推奨されない理由
インプラントと天然歯を土台にするブリッジが推奨されない主な理由は、骨に固定されるインプラントと、歯根膜で動く天然歯の性質が異なるためです。
インプラントは、顎の骨と直接結合してほとんど動きません。
一方、天然歯は歯と骨の間にある「歯根膜」というクッション組織により、噛む際にわずかに動きます。
この性質の違う2つを連結させると、噛むたびに動きの少ないインプラント側に応力が集中し、天然歯の脱落やインプラントの破損に繋がるリスクが高まります。
そのため、インプラントと天然歯を連結させるブリッジは、原則として避けるべき治療法とされています。
インプラント2本でのブリッジ治療の費用相場
インプラント2本でのブリッジ治療の費用相場については、以下のとおりです。
- インプラント2本ブリッジの総額費用の目安
- 治療費の主な内訳(検査費・手術費・材料費など)
- 【要注意】追加で発生する可能性のある費用
ひとつずつ解説します。
インプラント2本ブリッジの総額費用の目安
インプラント2本ブリッジの総額費用は、「80万円〜150万円程度」が目安です。
この金額には、インプラント2本分の費用と、3歯分のブリッジ(被せ物)の費用が含まれています。
ただし、これはあくまで目安で、歯科医院の立地や設備、使用する材料のグレードによって費用は大きく変動します。
たとえば、ジルコニアなどの高品質な材料でブリッジを作製する場合、費用は高くなる傾向にあります。
正確な費用を知るためには、複数の歯科医院で見積もりを取ることが重要です。
治療費の主な内訳(検査費・手術費・材料費など)
治療費は主に、CT撮影などを含む「検査・診断料」、インプラントを埋め込む「手術費」、インプラント本体や被せ物などの「材料費」で構成されています。
治療前のカウンセリングや精密検査で発生するのが「検査・診断料」です。
次に、実際の手術にかかる技術料や設備使用料が「手術費」にあたります。
そして、インプラント体やアバットメント(土台)、ブリッジ本体といった物品の費用が「材料費」です。
これら3つの要素が、治療費の大部分を占めています。
【要注意】追加で発生する可能性のある費用
状況によっては、基本的な治療費以外に追加で費用が発生する場合があります。
代表的なのは、インプラントを埋め込む骨の厚みが足りない場合におこなう「骨造成治療費」です。
また、審美的な理由などで治療中に装着する「仮歯の費用」が別途必要になる場合もあります。
さらに、手術への不安が強い方のために「静脈内鎮静法」という麻酔を選択した場合も追加料金がかかります。
基本的な治療費以外にも費用が発生するケースがあるため、事前のカウンセリングで確認することが大切です。
インプラント2本でブリッジ治療をおこなうメリット
インプラント2本でブリッジ治療をおこなうメリットは、以下の5つです。
- 3本インプラントにするより費用を抑えられる
- 外科手術の範囲が狭く身体的な負担を軽減できる
- 天然歯を削らずほかの歯への負担が少ない
- 自分の歯のようにしっかりと噛める
- 連続した歯で審美性に優れる
それぞれ解説します。
3本インプラントにするより費用を抑えられる
インプラント2本でブリッジ治療をおこなうメリットは、インプラントを3本入れる場合と比較して総額の費用を抑えられる点です。
インプラント治療は高額になりがちですが、この方法では埋入する本数を1本減らせます。
具体的には、インプラント1本分の埋入手術費や材料費、およそ30万円〜50万円程度の削減が可能です。
治療を受けたいけれど、費用面で躊躇している方にとって大きな利点となります。
費用を少しでも抑えたいと考える方には、インプラント2本ブリッジが適した選択肢となるでしょう。
外科手術の範囲が狭く身体的な負担を軽減できる
外科手術の範囲が狭まることで、患者さんの身体的な負担を軽減できるのもメリットです。
インプラントを埋め込む本数が3本から2本に減ることで、手術時間が短縮されます。
手術時間が短くなると、麻酔の使用量も減り、体への影響も少なくなりやすいです。
結果的に、手術後の痛みや腫れ、出血といった身体的な負担が軽減される傾向にあります。
体力に自信のない方や、外科手術に不安を感じる方にとって、この負担軽減は安心材料になるでしょう。
天然歯を削らずほかの歯への負担が少ない
従来のブリッジ治療と異なり、健康な両隣の歯を削る必要がない点もメリットです。
従来のブリッジでは、支えにするために健康な歯でも大きく削らなければならず、歯の寿命を縮めてしまうリスクがありました。
しかし、インプラント2本ブリッジは失った部分だけで治療が完結します。
そのため、周囲の健康な歯にダメージを与えることなく、歯の欠損を補うことが可能です。
自分の歯を大切にしたいと考える方にとって、これは重要なポイントです。
自分の歯のようにしっかりと噛める
自分の歯のようにしっかりと噛めるようになる点も、優れたメリットです。
この治療法では、顎の骨に直接インプラントを固定するため、入れ歯のようにズレたり浮き上がったりしません。
骨が土台となることで、リンゴや硬いお肉なども、天然の歯に近い感覚で力強く噛むことができます。
食事を心から楽しみたい、噛む機能をしっかり回復させたいと願う方にとって、この安定した噛み心地は大きな満足感をもたらします。
連続した歯で審美性に優れる
審美性に優れ、自然で美しい口元を再現できることもメリットとして挙げられます。
インプラント2本ブリッジでは、3本が連結した形態の被せ物を使用します。
そのため、歯と歯の間に不自然な隙間ができにくく、一体感のある見た目に仕上げることが可能です。
被せ物の色や形も、周囲の歯に合わせて精密に作製できるため、治療したと分からないほど自然な仕上がりを目指せます。
口元の見た目を重視する方にとって、この審美性の高さは大きな魅力となるでしょう。
インプラント2本でブリッジ治療をおこなうデメリット
インプラント2本でブリッジ治療をおこなうデメリットは、以下の3つです。
- 自由診療のため費用が高額になりやすい
- 外科手術が必要で誰でも受けられる治療ではない
- 治療後のメインテナンスと破損リスクに注意が必要
ひとつずつ解説します。
自由診療のため費用が高額になりやすい
インプラント2本ブリッジは、公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用が高額になりやすいデメリットがあります。
治療費はすべて自己負担となるため、経済的な負担は小さくありません。
一般的な相場は「約80万円〜150万円程度」と、決して安価な治療ではないのが現実です。
高額な費用が、インプラント治療を選択するうえでの一番のハードルとなるケースも少なくありません。
そのため、治療を検討する際には、十分な資金計画を立てておくことが求められます。
外科手術が必要で誰でも受けられる治療ではない
外科手術が必要であり、誰でも受けられる治療ではない点もデメリットです。
インプラントを顎の骨に埋め込むには、歯茎を切開するなどの外科的な処置がともないます。
そのため、重度の糖尿病や心疾患といった全身疾患がある方、骨粗しょう症などで骨の状態が著しく悪い方は、手術が適さないと判断される場合もあります。
また、妊娠中の方や喫煙者もリスクが高いとされています。
インプラント治療は、希望すれば誰もが受けられるわけではないという制約があるためよく確認が必要です。
治療後のメインテナンスと破損リスクに注意が必要
治療後のメインテナンスが非常に重要であり、破損リスクにも注意が必要な点がデメリットとして挙げられます。
とくにブリッジ中央の歯の下は、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすい構造です。
この部分の清掃を怠ると、細菌が繁殖し、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を引き起こすリスクが高まります。
また、非常に強い力がかかった場合や、歯ぎしりなどの癖があると、ブリッジが破損する可能性もゼロではありません。
インプラントを長持ちさせるには、日々の丁寧なセルフケアと、歯科医院での定期的なメインテナンスが不可欠です。
ほかの治療法との比較【インプラント3本・従来のブリッジ】
ほかの治療法との比較(インプラント3本・従来のブリッジ)を、以下8つまとめました。
- 費用
- 残存歯への影響
- 固定方法と耐久性
- 見た目の美しさ
- 噛み心地
- 治療完了までにかかる期間
- 保険適用の有無
- 日々の手入れのしやすさとメインテナンス
それぞれ解説します。
費用
費用面で比較すると、最も安価なのは保険が適用される「従来のブリッジ」です。
保険適用であれば、数万円程度で治療を受けられます。
次いで、インプラント2本ブリッジが「80万円〜150万円程度」です。
そして、最も高額になるのが「インプラント3本」で、100万円を超えるケースが一般的です。
費用を最優先に考えるのであれば、従来のブリッジが最も優位な選択肢となります。
残存歯への影響
残存歯への影響という観点では、インプラント治療(2本ブリッジ・3本)にメリットがあります。
インプラント治療は、失った歯の部分だけで治療が完結するため、周囲の健康な歯を削る必要がありません。
一方、従来のブリッジは、土台とするために両隣の健康な歯を大きく削る必要があり、歯の寿命が短くなるリスクをともないます。
健康な歯を守りたい方には、インプラント治療が適しています。
固定方法と耐久性
固定方法と耐久性においては、骨に直接固定するインプラント治療が高い安定性を誇ります。
インプラントは顎の骨と強固に結合するため、グラつくことなく、長期間にわたって安定した状態の維持が期待できます。
対照的に、従来のブリッジは、土台となる歯の状態に耐久性が大きく左右されます。
もし土台の歯が虫歯や歯周病になると、ブリッジ全体がダメになるリスクがあります。
長期的な安定性では、インプラントが優れているといえるでしょう。
見た目の美しさ
見た目の美しさ(審美性)に関しては、自由診療であればどの治療法でも高いレベルの仕上がりが期待できます。
とくにインプラント治療は、被せ物の素材を自由に選べるため、天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目を再現可能です。
従来のブリッジも、自由診療でセラミックなどの素材を選べば美しく仕上げられます。
ただし、保険適用のブリッジは使用できる素材に制限があるため、審美性は劣る傾向にあります。
噛み心地
噛み心地の良さでは、顎の骨で直接支えるインプラント治療(2本ブリッジ・3本)が最も優れています。
骨に固定されているため、自分の歯とほぼ同じ感覚で力強く噛むことができ、食事の際に違和感を覚えることはほとんどありません。
一方、従来のブリッジも固定式のため比較的よく噛めますが、土台の歯に負担がかかるため、インプラントほどの安定感は得られない場合があります。
噛む機能を最優先するなら、インプラント治療が最適な選択です。
治療完了までにかかる期間
治療完了までにかかる期間は、従来のブリッジが最も短く、数週間〜1カ月程度です。
歯を削って型を取り、ブリッジを装着するだけのシンプルな工程のためです。
対して、インプラント治療は、インプラントが骨と結合するための治癒期間が必要なため、「6カ月〜1年程度」の長い期間を要します。
できるだけ早く治療を終えたい方には、従来のブリッジが向いているといえます。
保険適用の有無
保険適用の有無は、治療法を選択する上で大きな判断材料です。
従来のブリッジは、使用する材料や部位などの条件を満たせば、公的医療保険が適用されます。
結果的に、費用負担を大幅に軽減できます。
しかし、インプラント治療(2本ブリッジ・3本)は、ごく一部の例外を除いて保険適用外の自由診療です。
治療費は、全額自己負担となる点を理解しておく必要があります。
日々の手入れのしやすさとメインテナンス
日々の手入れのしやすさでは、歯がそれぞれ独立している「インプラント3本」が最も優れています。
歯が1本ずつのため、歯間ブラシやフロスが通りやすく、清掃しやすいのが特徴です。
一方、インプラント2本ブリッジと従来のブリッジは歯が連結しているため、ブリッジの下に汚れが溜まりやすくなります。
この部分の清掃には、スーパーフロスなど専用の清掃用具を使った工夫が必要です。
日々のケアをシンプルにしたい方には、インプラント3本が適している場合もあります。
インプラント2本でブリッジする場合の費用を抑える方法
インプラント2本でブリッジする場合の費用を抑える方法は、以下の2つです。
- 医療費控除を利用する
- デンタルローン(分割払い)を活用する
ひとつずつ解説します。
医療費控除を利用する
費用負担を軽減する有効な方法として、医療費控除の利用があります。
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合に、確定申告をすることで納めた所得税の一部が還付される制度です。
インプラント治療費もこの対象となり、家計の負担を軽くできます。
治療費の領収書を必ず保管し、翌年の確定申告期間中に手続きをおこなうことで、節税に繋がります。
デンタルローン(分割払い)を活用する
デンタルローン(分割払い)の活用も、一度の経済的負担を和らげる方法です。
信販会社などが提供する歯科治療専用のローンで、高額な治療費を分割して支払うことができます。
多くの歯科医院が提携ローンを用意しており、カウンセリング時に相談すれば、月々の支払い額をシミュレーションできます。
まとまった資金がなくても治療を開始できるため、無理のない支払い計画を立てたい方にとって有効な選択肢です。
治療後に後悔しないための注意点
治療後に後悔しないための注意点は、以下の5つです。
- 治療技術・実績が豊富な歯科医院を選ぶ
- 安さだけで選ばず保証制度も確認する
- 事前の精密検査をおこなう
- 治療計画やリスクについて納得できるまで説明を受ける
- 治療後の定期メインテナンスの重要性を理解する
それぞれ解説します。
治療技術・実績が豊富な歯科医院を選ぶ
歯の治療で後悔しないために重要なのは、治療技術・実績が豊富な歯科医院を選ぶことです。
インプラント治療は、外科手術を伴う高度な技術と専門知識を要します。
そのため、CTなどの精密検査設備が整っており、インプラント治療の経験が豊富な歯科医師が在籍する医院を選ぶことが成功のポイントです。
信頼できる歯科医院を見つけることが、満足のいく結果への最初のステップです。
歯科医院のWebサイトで症例数を確認したり、カウンセリングで直接医師の実績を尋ねたりすることも有効です。
安さだけで選ばず保証制度も確認する
治療費の安さだけで、歯科医院を選ぶのは避けるべきです。
格安のインプラントには、品質の低い材料が使われていたり、十分な検査がおこなわれなかったりするリスクも潜んでいます。
長期的な安全性を考えるなら、適正な価格設定をしている医院を選ぶことが望ましいです。
また、万が一のトラブルに備え、保証制度が充実しているかも必ず確認しましょう。
インプラントの破損や脱落などに対し、どのような保証がどのくらいの期間適用されるのか、事前に書面で確認しておくのが大切です。
事前の精密検査をおこなう
安全で確実な治療のためには、事前の精密検査が不可欠です。
とくに、顎の骨の量や厚み、神経や血管の位置などを3次元的に把握できるCT撮影は、インプラント手術をおこなううえで必須の検査といえます。
精密検査の結果にもとづき、一人ひとりに合ったインプラントのサイズや埋入位置が決定されます。
検査が不十分なまま手術をおこなうと、神経麻痺などの重大なトラブルにつながりかねません。
治療前において、精密検査をしっかりおこなってくれる歯科医院を選びましょう。
治療計画やリスクについて納得できるまで説明を受ける
提示された治療計画の内容や費用、期間や潜在的なリスクについて、自身が十分に理解し、納得したうえで治療を開始することが大切です。
歯科医師からの説明が一方的でなく、患者の質問や不安に真摯に答えてくれるかも、良い医院を見極めるポイントです。
少しでも疑問があれば遠慮せずに質問し、すべてクリアにしてから治療の同意書にサインしてください。
この丁寧なコミュニケーションが、歯科医師との信頼関係を築き、治療の満足度を高めることにつながります。
治療後の定期メインテナンスの重要性を理解する
インプラントを長持ちさせるには、治療完了後の定期メインテナンスが不可欠であることを十分に理解しておく必要があります。
インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯茎は「インプラント周囲炎」という歯周病に似た病気になるリスクがあります。
これを防ぐには、日々のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。
メインテナンスを怠ると、最悪の場合インプラントを失うことにもなりかねません。
治療後が、本当のスタートだと認識することが重要です。
インプラント2本でブリッジ治療をおこなう際の一般的な流れ
インプラント2本でブリッジ治療をおこなう際の一般的な流れを以下にまとめました。
- 初診カウンセリング・精密検査
- 治療計画の立案
- インプラント埋入手術
- 治癒期間
- ブリッジの装着
ひとつずつ解説します。
初診カウンセリング・精密検査
治療の第一歩は、初診カウンセリングと精密検査です。
カウンセリングでは、患者さんの歯に関する悩みや治療への希望を歯科医師が詳しくヒアリングします。
そのあと、口腔内の状態を正確に把握するため、レントゲンやCT撮影、歯周組織の検査など各種精密検査をおこないます。
治療計画の立案
精密検査の結果をもとに、歯科医師が具体的な治療計画を立案します。
この計画には、インプラントを埋め込む位置や角度、使用するインプラントの種類、最終的なブリッジの設計、治療期間、詳細な費用などが盛り込まれます。
歯科医師は、この治療計画を患者さんに分かりやすく説明し、同意を得たうえで治療を開始します。
インプラント埋入手術
治療計画に同意したら、インプラントの埋入手術をおこないます。
手術は局所麻酔下でおこなうため、痛みを感じることはほとんどありません。
歯茎を切開して顎の骨を露出し、専用ドリルでインプラントを埋め込むための穴を開けます。
そして、計画通りの位置にインプラント体を埋め込み、歯茎を縫合して手術は完了です。
手術時間は、埋入本数にもよりますが、通常1〜2時間程度です。
治癒期間
インプラント埋入手術後は、インプラントが顎の骨と結合するための治癒期間が必要です。
この期間は骨の状態などにより個人差がありますが、一般的には約3カ月〜6カ月かかります。
骨とインプラントが強固に結合すること(オッセオインテグレーション)が、インプラント治療の成功に不可欠です。
ブリッジの装着
インプラントと骨が十分に結合したことを確認後、最終的なブリッジを装着する段階に進みます。
まず、インプラントの上に土台(アバットメント)を連結し、口腔内の精密な型取りをおこないます。
その型をもとに、歯科技工士が患者さんの歯の色や形に合わせたブリッジを製作します。
完成したブリッジをインプラントに装着・固定して、一連の治療はすべて完了です。
インプラント2本ブリッジに関するよくある質問
インプラント2本ブリッジに関するよくある質問を、以下にまとめました。
インプラント2本ブリッジに保険は適用されますか?
インプラント治療は、一部の特殊な症例(病気や事故で広範囲に顎の骨を失った場合など)を除き、公的医療保険が適用されない自由診療です。
そのため、インプラント2本ブリッジ治療も、基本的に保険は適用されません。
治療費は全額自己負担となる点をあらかじめご了承ください。
ただし、医療費控除の対象にはなるため、制度をうまく活用することをおすすめします。
ブリッジとインプラントの費用はそれぞれいくらですか?
従来のブリッジの場合、保険が適用されれば数万円から治療可能ですが、審美性の高いセラミックなどを使用する自由診療では15万円以上になることもあります。
一方、インプラントは1本あたり「30万円〜50万円程度」が相場です。そのため、3本欠損の場合、インプラント2本ブリッジでは「80万円〜150万円程度」が目安になります。
インプラントを3本入れるのとどちらが良いですか?
どちらが良いかは一概には言えず、患者さんの口腔内の状態や価値観によって最適な選択は異なります。
費用や身体的負担を軽減したい場合は、インプラント2本ブリッジが有利です。
一方で、清掃のしやすさや、将来的にブリッジの一部が破損した際のリスク分散を考えるなら、3本が独立しているインプラント3本の方がメリットが大きい場合があります。
歯科医師とよく相談し、それぞれの利点と欠点を理解したうえで決定することが重要です。
治療期間はどのくらいかかりますか?
治療期間は、患者さんの骨の状態や治癒能力など個人差がありますが、一般的にカウンセリングから最終的なブリッジの装着まで、「6カ月〜1年程度」を見込む必要があります。
インプラントが顎の骨と結合するために、「3カ月〜6カ月程度」の治癒期間が必要なためです。
もし、骨を増やす治療などが追加で必要になった場合は、さらに長い期間がかかる場合もあります。
手術中の痛みはありますか?入院は必要ですか?
手術は十分な量の局所麻酔下でおこなうため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
手術への恐怖心が強い方向けに、リラックス効果のある静脈内鎮静法の選択肢を用意している歯科医院も多いです。
また、インプラント手術は日帰りで治療が可能であり、入院の必要は基本的にありません。
手術当日に帰宅し、翌日から普段通りの生活を送れる方がほとんどです。
インプラント2本ブリッジの寿命はどのくらいですか?
インプラント2本ブリッジの寿命は、患者さん自身のセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスにかかっています。
これらを適切に継続すると、「10年以上」にわたり問題なく機能するケースが多いです。
ただし、手入れを怠ってインプラント周囲炎になると、寿命は著しく短くなります。
インプラントを長持ちさせるには、治療後のケアが重要であると覚えておきましょう。
まとめ
インプラント2本でのブリッジ治療は、連続した3本の歯を失った場合に、費用や身体的負担を抑えつつ、審美性と機能性を回復できる優れた治療法です。
健康な歯を削る必要がなく、自分の歯のようにしっかり噛めるなど多くのメリットがあります。
もし「自信を取り戻し、自然に笑えるようになりたい」「長期的にメインテナンス費用や再治療リスクが少ない治療を選びたい」方は、早めに歯科医院を受診してみましょう。
きむ歯科口腔外科医院では、インプラントや歯がボロボロなど、患者さんの解消したいお悩みに応じて最適なご提案・治療をおこなっております。
現在の歯に関するお悩みを解消し、笑顔で食事や会話を楽しみたいと思っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム監修者

院長金 龍門(きむ よんむん)
- 経歴
- 2013年3月 日本歯科大学卒業
2015年4月 公立豊岡病院歯科口腔外科 勤務
2020年4月 市立伊丹病院歯科口腔外科 勤務
2022年4月 きむホームデンタルクリニック開業
2025年2月 医院名をきむ歯科口腔外科医院に改名
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