NST|きむホームデンタルクリニック|鶴橋駅の訪問歯科・歯医者

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NST|きむホームデンタルクリニック|鶴橋駅の訪問歯科・歯医者

NSTとは

NSTとは、Nutrition Support Teamの略で栄養サポートチームという意味を持ちます。栄養の摂取は、すべての治療の基本にあり、患者様の栄養摂取についてサポートする医療チームのことを指します。

栄養サポートチームは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士、介護福祉士などさまざまな専門的な知識を持つ国家資格の有資格者で構成されています。

これらの有資格者が、それぞれの専門性を活かしたり連携したりして患者様の栄養摂取を支えているのです。

現在、NSTが必要な理由

高齢を迎え口の機能が衰えた方や、認知機能が衰えた方などは食事から適切な栄養を摂取すること自体が困難になってしまう場合があります。
栄養が不足することで、精神的に不安定になったり、全身の筋力が低下したり、臓器が正常に機能しなくなったり、免疫機能を低下させたりさまざまな心身の不調を引き起こします。
健康維持はもちろん、疾病や傷病などからの回復が遅延する可能性も高まり、危険な状態になってしまうのです。

そのため「栄養摂取」という一つの共通点から、職種の概念を超えて患者様を支えるという考え方が生まれたのです。医師でできること、管理栄養士でできること、歯科医師でできることなどは限りがあります。
NSTにかかることによって、患者様の栄養摂取が円滑に進み、病気の治癒や健康維持、回復などに貢献することができるのです。

NSTにおける歯科の役割

高齢者の患者さん

NSTによる歯科の役割は、主に口の中にまつわることについてのケアや治療です。具体的には、食事を口から食べることができるかどうかの評価をし、場合によってはケアをしたり治療をしたりすることがあげられるでしょう。
主にNSTにおける歯科の役割は以下となります。

  • 摂食・嚥下機能について評価する
  • 摂食・嚥下領域のリハビリを実施する
  • 入れ歯の作成や調整をおこない、食べることをサポートする
  • 口腔内の衛生状況をよくする(プラークの除去、歯周病や虫歯の治療など)

摂食・嚥下とは、食べ物を認知し咀嚼し飲み込んで食道を通過し胃に送る一連の流れを指します。栄養摂取であれば、飲み物や点滴でよいのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、食事という行為は唾液の分泌をもたらし口腔内の乾燥を防ぐとともに患者さまの人生の楽しみを増やしてくれるものです。
そのため、食事ができる口腔内の環境へ回復させる、保つという治療やケアが求められるのです。
入れ歯の調整や作成は、まさに食べるという行為をサポートするものです。
また口腔内の衛生状況がよくなければ、歯が虫歯になったり歯周病になったりします。そして虫歯になったり、歯周病になって歯を抜くことになったりした場合、食べ物を噛むという行為がしにくくなり、摂食・嚥下機能が下がってしまうのです。
このように口の中にまつわる栄養摂取のサポートをおこなうことが歯科医師の役割と言えるでしょう。

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは、歯や舌や口の周りの筋肉が衰えてしまっている状態を指します。初期症状としては、滑舌が悪くなってしまう、食事の最中に食べ物を口の中からこぼす、むせやすくなる、硬いものが噛めなくなる、口呼吸が促進され乾燥状態になるなどがあげられ、若年層にも実は当てはまるものだったりします。
オーラルフレイルが進行すると、口の中が不衛生な状態になり、舌圧が低くなったり、舌口唇運動機能や咀嚼機能、嚥下機能、咬合力などが低下していきます。

そしてオーラルフレイルかどうかを検査する項目が定められており、それらの検査をすることで現在のオーラルフレイルの進行度がどれくらいなのかを計測することもできます。

オーラルフレイルの検査は全部で7つの項目があり、当院では全ての検査を実施することができます。
検査の結果を踏まえ、当院では口腔リハビリについてご提案させていただき、口腔機能の回復まで責任を持って取り組むことが可能です。
口腔機能が回復することで、摂食・嚥下機能の回復も期待でき、栄養摂取についてサポートすることができるようになるのです。

当院で実施するオーラルフレイル7つの検査

口腔衛生状態不良(口腔不潔)

口腔衛生状態不良とは、口の中が衛生的かどうかを判断するための検査です。
こちらは「舌の白い付着物」である舌苔(ぜったい)が舌の50%以上付着しているかどうかを目で直接みて診断するものです。
舌苔は、口の中の細菌の状態が悪かったり唾液の分泌量が少なかったり、様々な原因で付着します。

口腔乾燥

口の中の乾燥具合を検査するものです。口の中が乾燥していると、唾液緩衝機能と呼ばれる口の中の酸性度を下げる機能が低下して、歯の脱灰(ミネラル成分が歯質から漏れてしまうこと、脱灰が進むと虫歯になってしまう)が進みます。また口臭の原因になったり、摂食障害や会話がしづらくなったり、入れ歯が装着しづらくなったりします。
口腔乾燥状態を検査するには、口腔水分計(ムーカス)やサクソンテストなどのテストを実施します。口腔水分計は、特殊な機械を用いて2秒で口の中の水分量を計測するものです。サクソンテストは、唾液の分泌量をチェックするものです。滅菌ガーゼを舌の下におき、2分間噛み続け、2分後のガーゼの唾液量をチェックするものです。

咬合力低下

咬合力とは、ものを噛む力のことです。噛むためには、噛むためのツールである歯と筋肉が必要です。そのため、咬合力を検査するには、歯の本数のチェックと噛んだ際の力をチェックする必要があるのです。感圧フィルム(デンタルプレスケールⅡ)と呼ばれるフィルムを使って噛む力を計測したり、歯の残存本数が20本未満になっていないかをチェックします。

舌口唇運動機能低下

舌と口唇(くちびるのこと)の運動機能が低下しているかどうかを検査する項目になります。
舌や唇などの運動スピードが低下をすると、滑舌や食べ物を飲み込む際の円滑さに影響します。これらは「オーラルディアドコキネシス」という手法を用いて機能低下を検査します。具体的にはpaとtaとkaの音を連続して10秒間で何回発声できるのかを計測し、その数値が1秒あたり平均6回を下回らないかをチェックします。

低舌圧

舌圧(ぜつあつ)とは、舌が顎の上側に接触する力のことを指します。舌の筋力が落ちることで舌圧が下がるのですが、柔らかく飲み込みやすい食事ばかりとっていると舌厚が下がると考えられています。舌圧が低くなることで、食事を飲み込む力が減少してしまいます。舌厚は、舌圧測定器を用いて計測することが可能です。

咀嚼機能低下

咀嚼機能は、食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくする機能のことです。顎の筋肉が弱くなったり、歯の本数が少なかったりすると咀嚼機能は低下します。
粗食機能の検査は、検査用のグミを噛むことで検査します。グミがどれだけ粉砕されたかを視覚で確認するとともに、グミからどれだけグルコースが溶け出しかをチェックします。

嚥下機能低下

嚥下’(えんげ) 機能とは、食べ物や飲み物を口の中から喉、食道を通じて胃へ送り込む能力のことを指します。
嚥下機能が低下すると、むせたり食べ物が口の中で残ったり、無意識かで柔らかい食べものを選択するようになります。
嚥下機能の低下は、主観的嚥下機能評価という患者様にアンケートのようなものをとることで評価します。

嚥下内視鏡検査(VE)

嚥下内視鏡検査は、鼻の中に3mmほどの細い内視鏡を通して、嚥下している状況を直接観察して評価する手法です。
直接、嚥下の動きを観察するため主観的な評価よりも詳しい状況を把握でき、摂食・嚥下のどの部分に具体的な問題があるのかを評価できます。

当院では、嚥下内視鏡検査(VE)も実施可能です。
詳しくは嚥下内視鏡検査(VE)のページをご覧ください。